イチゴ

クリスマスケーキのイチゴの印象から、冬が旬と連想しがちかもしれませんが、

本当は春です。春に苗を購入、秋までに株を増やし、しっかり育ててから越冬、

そして翌春に実をつけるのが正しいイチゴの育て方。

気温が高くなるとイチゴは甘くなる前に赤くなってしまうので、

収穫時期が遅くならないように栽培すると、おいしいイチゴになります。

また、株に負担をかけないよう、根にやさしい環境で育てます。


【春~秋】


1.親苗を購入

 春にホームセンターなどでイチゴの苗を購入。

 この苗から小苗を増やし、来年の春に収穫します。


2.根を洗う

 根を洗って、発泡スチロールの容器への定植の準備をします。


3.スポンジで苗を挟む

 苗をスポンジで挟む位置は、クラウンと呼ばれる部分の下になります。


4.定植

 発泡スチロールの栽培容器に定植します。

 明るい野外で育て、養液が減ってきたら補充し、ひと月に一度、養液を全量交換します。


5.親苗から小苗をつくる

 親苗が大きく育ったら、ランナーと呼ばれるツルが伸びてきます。

 そのツルを砂を入れたポットに埋めて発根させ、たくさんの子苗をつくります。

 最初に出たランナーは短いので、

 ある程度の長さのあるランナーがまとまって伸びてから、小苗を取り始めてください。

 ランナーから葉が生えている部分から根が出て小苗になります。

 親苗と小苗、小苗と小苗の間のランナーは切らずに、つながったままで育苗します。


6.ランナーの定植

 砂を入れたポットに、ランナーを針金で固定します。

 針金は曲げてねじるように埋めると抜けにくくなります。

 ランナーは切らずに親苗とつながったまま育ててください。

 養液は受け皿に注ぎ、下から吸わせるようにします。

 養液の濃度は、4000倍(EC0.6)です。

 明るい野外で育て養液がなくなったら受け皿にひたひたの量の養液を注ぎます。

 子苗を軽くつついて根元が動かないようなら、根がしっかり張っているので、

 親苗からランナーを切り離してください。


7.親苗から切り離した子苗は、秋まで育てます。養液は必ず受け皿に入れ、

 鉢の下から吸い上げさせます。水滴から病気になることが多いので、

 葉にかからないようにします。鉢の中が葉でいっぱいになり、鉢の砂があふれて

 受け皿に砂がたまるようになったら、一回り大きなポットに植え替えます。


【10月~11月】


8・小苗の定植

 10月から11月になって最高気温が25度を超えなくなったら、

 根を洗い、苗を発泡スチロールの栽培容器に定植します。

 定植時期が遅くならないようにしてください。

 発泡スチロールのフタに、定植用の穴を開け、1つの栽培容器につき、

 小苗を6株定植します。

 養液が減ってきたら補充し、花芽を見つけたらすぐに取り除き、苗の負担を軽くします。


【年明け】

年が明けてから根を確認します。根がしっかり育っていたら、花をつけても大丈夫です。


9.花が次々と咲きます

 花が次々と開花します。大きな実を収穫したい場合は、

 大きな花を一株あたり5個くらい残して、それ以外は取り除きます。 

 もちろんすべての花を育てても問題ありませんが、

 成長が悪くなった場合は花を少なくし、株の負担を軽くします。

※元気なイチゴは花びらが多い!

 いちごの花びらは本来5枚ですが、株の調子が良くなると枚数が増えます。

 また、葉つゆが多く出ると、根の動きが活発だと言われています。

 このようにイチゴを観察すると調子がよくわかります。


10.受粉

 イチゴは風や人が歩く時の振動で受粉しますが、

 たまにいびつな形のイチゴができることがあります。

 人工授粉をしてあげると、完璧な形のイチゴが収穫できます。


11.実がつきました

 受粉すると花の中心部がどんどんふくらみます。失敗していると、

 中心部が黒っぽく変色し小さくなります。

 この頃から減った溶液の補充は2000倍(EC1.3)の濃度へ変更します。

  茶色の根

 根を確認すると、茶色になっています。この色は根に鉄分が沈着したものです。

 新しい根は真っ白なので、短い白い根が出ていれば健康な状態です。

 また、真黒になった根は枯れていますが、取り除かずに残します。


12.実が赤く色づきました

 イチゴの実が赤く色づいたら、

発泡スチロールの養液を2000倍(EC1.3)に全量交換します。

表面のつぶつぶはイチゴの種。

この種が、果肉の中に埋まるような状態なら健康でおいしいイチゴ。

逆に、果肉の表面に乗っかるような状態なら栄養不足です。


13.収穫

 イチゴのヘタが、反り返った状態が、完熟のサインなので収穫します。

ヘタが下を向いていると未熟なので、もう少し待ちましょう。

The Harvester's Ownd

時が止まったような安曇野の空間で、植物たちを育てています。

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